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執筆者の写真大丈夫 高木

蓄音機

今までSPレコードは78回転対応のポータブルプレイヤーに頼っていましたが、

この度、遂に蓄音機デビューをしました。



1939年(昭和14年)製、コロンビアの卓上蓄音機です。

まずご親切に対応して下さった横浜のレコード屋、『中古レコードのタチバナ』さんに感謝します。

お店で聞いた情報によると、当時の平均月収は120円、大卒の初任給は70円、中卒の初任給は40円。

そしてこの蓄音機は60円だったそうです。

とは言ってもこのモデルも決して高級モデルではなく、家庭用のモデルだったそうで、いかに音楽が価値あるものだったのかという事を実感します。


第二次世界大戦がはじまった年に作られたこの蓄音機。

いかに戦禍を逃れたのか、どんな人の元にあったのか、興味が絶えません。


音を聞いてみると、当時の圧倒的「リアル」な音に、とてつもないノスタルジーを感じ、胸が締め付けられます。

LIMELIGHT / VICTOR YOUNG   ライムライト / ヴィクター・ヤング楽団


基本的に1面につき1針、多くて4面と言われている針を、数回聞くたびに捨てていき、その度にすり減っていくSPレコード。

いかに音楽が尊いものだったのか..CD全盛期に生まれ、配信時代を生きる自分には想像を絶するものがあります。

さらに、分かっていた事ではあるのですが、この蓄音機が一切電気を使っていないという事に改めて驚きます。

正直、阿呆な自分には何故音が鳴っているのかもさっぱりわかりません。

こうして1曲聞くたびに巻き直すわけです。

今は無料や定額のワンクリックで音楽が聞けてしまう時代ですが、かつては高額な蓄音機を買って、1曲ごとに巻き直し、針を捨て、さらにそのSPレコードも聴いてるうちにすり減って再生ができなくなる。そんな時代があったわけですね。

少しばかりレコードコレクターではありますが、LP、EPを聴いているだけではとても感じられなかった事ばかりです。


コロナ禍に入って以降、去年2回程開催した『レコード座談会』もできていませんが、次回開催では必ずこの蓄音機でのSPレコード鑑賞もプログラムに入れたいと思っておりますので、是非お集まりいただければ幸いです。


少々長くなってしまいましたが、またこの蓄音機に関しましてはちょこちょことお話していきたいと思っております。


最後までお読みいただきありがとうございました。


では。


高木大丈夫

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